M&A伴走税理士白書の表紙

WHITE PAPER

M&A伴走税理士白書

私たち税理士が、中小企業の廃業を減らすための、「M&A伴走税理士」という新しい職能の提言

本白書は、税理士が日頃の顧問関係で培った知識と信頼を、事業承継・買収という企業の将来を左右する判断の支援へ広げる道を提言したものである。

著者 都 鍾洵 税理士(M&A伴走税理士)|みやこ税理士事務所 代表

2026年10月13日発行 / エクスプレッソ・パブリッシング

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CONTENTS
  1. 01この白書について
  2. 02答える問い
  3. 03著者の一次見解
  4. 04構成
  5. 05こんな方に
  6. 06著者
  7. 07関連記事
  8. 08書誌情報
01

この白書について

税理士が顧問先の事業承継や買収の判断を支えるとき、何ができ、何が壁になるのか。兵庫県西宮市の税理士・都 鍾洵(みやこ しょうじゅん)が、この問いに答えた本白書(税理士・税理士業界関係者向け)である。

著者の出発点は、経営難に陥った顧問先に対し、決算を組むこと以上の支援ができず、事業を守れなかった経験にある。M&Aという選択肢を知っていれば、雇用や取引関係を引き継ぐ道があったかもしれない。その後、著者は顧問・仲介・自らの事業売却(税理士法人を含む)という三つの立場でM&Aに関わり、その経験をもとに、仲介ではなく顧問として関わるという立ち位置を白書にまとめた。

白書が提言する「M&A伴走税理士」とは、買い手支援を主軸に、顧問としてセカンドオピニオン、財務デューデリジェンス(DD)、買収後の経営統合(PMI)、継続顧問を一貫して提供する税理士の職能である。


02

この白書が答える問い

  1. 廃業を減らすために、税理士はM&Aにどう関われるのか
  2. なぜ白書の支援の主軸は、売り手ではなく買い手に置かれているのか
  3. 税理士がこれまでM&Aに関与しにくかったのは、なぜか
  4. 成功報酬型の仲介では、買い手のどんな判断が難しくなるのか
  5. 財務DDで得た情報は、買収後の経営支援にどうつながるのか
  6. 成約の有無に左右されない報酬は、どう設計できるのか
  7. 顧問関係は、M&Aの支援でどんな強みになるのか
03

著者の一次見解

VIEW 1仲介ではなく、顧問として関わる

著者は、仲介に関わった案件で、後になって売り手が損害を被ったことを知り、顧問先の利益を最優先できていたのかと自問したと書く。さらに自らの事業売却を通じて、売り手として意思決定から交渉、引き継ぎまでを経験した。支援する側と事業を譲る側の双方を経たうえで、著者が提言するのが「仲介ではなく、顧問として関わる」モデルである。検討段階から買収後まで関わることで、税理士の継続的な顧問関係を生かす、という位置づけになっている。

VIEW 2「進める」と「見送る」の双方を支える

M&A伴走税理士が担う支援として、白書は次の三つを挙げる。

  1. 検討時の助言・財務検証 ― 買収の目的や財務上のリスクを確認し、判断材料を整理する
  2. 進める・見送る判断の支援 ― 顧問先の利益を基準に、成約の後押しと見送りの助言の双方を行う
  3. 買収後の経営支援 ― 検証で把握した課題を、経営統合と継続的な顧問業務につなげる

成功報酬型のインセンティブが「やめましょう」の言いにくさを生むという問題意識から、報酬の主軸を成約の有無に左右されない相談料・助言対価に置くことも、このモデルの柱とされている。

VIEW 3税理士がM&Aに関与しにくかった三つの壁

著者は、自らがM&Aと距離を置いていた背景として、次の三つを挙げる。

  • 業務領域への認識 ― M&Aを「自分の仕事ではない」と捉え、担える領域が見えなかったこと
  • 責任・リスクへの不安 ― 関与した案件で問題が起きた場合への懸念
  • 日常業務の多忙さ ― 決算・申告に追われ、学習や新しい業務に取り組む余裕がなかったこと

経営者の側も「顧問税理士にはM&Aを相談できない」と思い込んでいる場合があり、税理士が関与する機会を失うと白書は指摘する。対処としては、専門知識の習得、支援範囲・責任分担の明確化、他の専門家との連携、セカンドオピニオンからの段階的な関与が示されている。

VIEW 4顧問関係そのものが、強みになる

財務の推移、経営の経緯、経営者の意向を継続して把握していることが、顧問先の立場から条件やリスクを検討する際の基盤になる、というのが著者の立場である。売り手に対しても、譲渡に向けた準備、条件の検討、セカンドオピニオンとして関与する道を示している。

※ これは著者個人の経験と考えに基づく提言であり、個別の案件への適用は事情によって異なる。個別の判断は、専門家への相談を前提にしてほしい。

04

構成

  1. 序章 なぜこの白書を書いたか 二つの廃業の経験と、売り手支援で突き当たった壁
  2. 第1章 小規模事業者の廃業実態と後継者不在の構造 廃業がもたらす社会的損失、後継者不在という構造、第三者承継の現在地
  3. 第2章 買い手が直面するリスクの実態 規制の空白、成功報酬型インセンティブ、買い手の具体的リスク、PMIへの取り組み
  4. 第3章 なぜ私たち税理士は、M&Aに関与してこなかったのか 距離を置いてきた三つの理由と対処、なぜ「買い手側」なのか
  5. 第4章 DD→M&A→PMI一貫支援モデルの提言 支援モデルの全体像、報酬設計、他士業との連携
  6. 第5章 M&A伴走税理士という新しい職能像 国際比較、関係性資本、売り手への関わり、モデルが目指す未来
  7. 参考文献・出典一覧
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こんな方に

顧問先から事業承継や買収の相談を受けたとき、どこまで関われるのか迷っている税理士。M&Aに関心はあるが、責任の範囲や報酬の組み立て方に踏み出せずにいる税理士業界の関係者。すべてを一度に読む必要はなく、章ごとに独立して読める構成になっている。


06

著者

都 鍾洵

都 鍾洵

税理士(M&A伴走税理士)|みやこ税理士事務所 代表

私が提唱する「M&A伴走税理士」とは、セカンドオピニオン→財務デューデリジェンス(DD)→統合支援(PMI)→継続顧問という流れを、買い手の側に立って一貫して伴走する税理士の在り方です。
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書誌情報

タイトル
M&A伴走税理士白書 私たち税理士が、中小企業の廃業を減らすための、「M&A伴走税理士」という新しい職能の提言
著者
都 鍾洵(みやこ しょうじゅん)
発行
エクスプレッソ・パブリッシング
発行日
2026年10月13日
形態
Web版・PDF(無料・登録不要)